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2016.09.26
東京オリンピック・パラリンピック大会チーフオフィサー 沼津で地方都市活性を語る
2016年9月21日、沼津のプラサヴェルデにて、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会・大会組織委員会チーフ・オフィサーの宇陀栄次様の講演が行われました。
宇陀様と言えば、我々が地域パートナーとしてお付き合いのある株式会社セールスフォース・ドットコムのトップとして、日本の市場にクラウドを活用したイノベーションを数多く手掛けられた方です。
政府が重点政策として掲げる「地方創生」。人口減少の影響は、特に地方自治体にとって深刻な問題です。
政府は「まち・ひと・しごと創生法」により、少子高齢化への対応や、東京圏への過度な人口集中の是正、地域社会の個性を活かした住みよい街づくりを推進しています。
なかでも、IT技術の活用は、地方自治体の活性化において重要視されており、IT総合戦略本部は、地方自治体に対して「地方版総合戦略」を作成するよう要請しました。
「全国各地でのIT利活用に係る挑戦的な取組と、全国への横展開の推進」が掲げられており、『地域産業の活性化』『住みやすさの向上』『地方公共団体業務の効率化』で特にIT活用が求められています。
このような課題の中、
「地方都市活性化のための諸問題と成功事例~全ての企業経営者に贈る。IT革命のもたらす効果とは~」
との題目にて、宇陀様にはセールスフォースでの取り組みを通じて、ITがもたらす可能性と静岡県東部が進むべき道になるヒントをお話しいただきました。
外国人観光客の増加と東京オリンピックまでは千載一遇のチャンス
日本への外国人観光客は増加している傾向があり、東京オリンピックまでのこの4年間は千載一遇のチャンスです。
富士山と言う外国人観光客から見たら最高のアイコンをいかに活かして、静岡県東部に観光客を引っ張ってくる仕組みを作るかが最大のカギです。
このチャンスを逃せば、他の地域より「10年は遅れる」と言う危機感を持たなければなりません。
国が、GDP600兆円に向けた成長戦略として
- 新たな成長市場の創出・拡大
- 人口減少社会、人手不足を克服するための生産性の抜本的向上
- 新たな産業構造への転換を支える人材強化
を挙げています。
それに伴い、様々なプロジェクトが立ち上がって予算がついていますが、注目すべきは以下10個のプロジェクトとのことでした。
もうすでに予算がついているので、必ず実行されます。新しいチャレンジとしてご参考にしてはいかがでしょうか。
- 第4次産業革命 IOT、ビッグデータ、AI、ロボット 30兆円
- 世界最先端の健康立国 20兆円
- 環境エネルギー制約の克服と投資拡大 28兆円
- スポーツの成長産業化 15兆円
- 既存住宅流通・リフォーム市場の活性化 20兆円
- サービス産業の生産性向上 輸送・旅館・小売 410兆円
- 農業改革・輸出促進 10兆円
- 観光立国(外国人旅行客消費額 8兆円) 15兆円
- 2020年オリンピック・パラリンピック大会見える化 12兆円
変化することのリスク、変化しないことのリスク
地方都市には様々な問題があります。
人口減少、景気低迷、雇用機会不足、中小企業、人材不足、女性雇用、育児施設、介護・医療施設、医療費拡大、事業承継。。。
「雇用機会不足と人材不足」など矛盾した課題もあります。
その本質は、スキルとニーズのミスマッチ、変化への恐れや遅れなどが挙げられます。世界中を見ている宇陀様は、世界の勢力図や環境や年齢構成や技術革新によって、社会全体が大きく変化しているにも拘らず、日本人の意識や制度や対策はあまり変わっていないと警鐘されていました。
変化することには、リスクがある。変化しないこともリスクがある。環境が大きく変化している時に、どちらのリスクが高いのか。
を、頭をやわらかくして見極めていく必要があります。
変化のリスクを見極める一つの指標として「企業であれ役所であれ、業種業態問わずに顧客が何を望んでいるのかと言う「顧客志向(顧客目線での考え方)」が重要となってきます。
例えば・・・
- 役所の手続きは、来所しなくても、ITの活用で手間を省けるのではないか。
- 体の具合が悪いのに、病院に行って先生に診てもらわないといけない。
顧客志向の目線に立てば、
- 千葉市の「ちばレポ」のように市民からの要望をスマホから集めるシステムを構築できる。
- シンガポールではskype等で診断できるシステムを導入し、日本に逆輸入する予定がある。
と、顧客満足度をあげて新たなビジネスチャンスを生み出だすことができます。
顧客志向の目線で、変化することのリスクを選んだ老舗旅館
紙の台帳にしか集まっていなかった顧客の情報をセールスフォースで管理・見える化することで、いままで女将さんの頭の中でしか管理できていなかったお客様の好みや特徴を旅館の従業員みんなで情報を収集し管理できるようになりました。
おもてなしが徹底され、顧客満足度も向上し、リピートして宿泊されるお客様も増えたそうです。 一人の専門家より、集団の知恵(集合知)が業績の上場につながりました。従業員の働き方も変わり、旅館であるにも関わらず週休2日制も導入しています。
また、極めつけは、その顧客管理システムを同業者に販売するなど新しいビジネスを生み出しました。まさに変化するリスクを選らんだ成功事例ですね。
まとめ 企業も人も街も変革しなければならない。
- 自分の運命を変えたいと思う人は多いけれど、自分自身を変えようと思う人は非常に少ない。
- 過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。
- 変化するリスクがある。変化しないことのリスクもある。世の中が急速に変化している時、どちらのリスクが大きいか。
- 面白い仕事を探すのではなく、自分の仕事を面白くする。
と、宇陀様はこの講演を上記の4点で講話をまとめられました。
花が散るのを抑えるより、新しい芽を探すこと。ビジネスでは、変化を止めるよう頑張るより、変化に対応した新しいなにかを見つけていくことの大切さを学びました。
自分自身を変え、企業を変え、地域を変える。ドットツリーのような「集合知」を体現したようなプロジェクトもある。我々は、 セールスフォースのパートナーとして、地域密着型IT企業として、この地域を面白くする。そんな取り組みをしていきたいと思いました。